子供たちの小さい頃、特に息子は男の子だからか、好奇心が旺盛で、歩き始めてからの行動力はそれはそれは目が離せませんでした。
公園に行けば、大きい子たちと混ざって、遊具にスイスイ上っていったり、友人のお宅へお邪魔すれば、目の前に広がる家具や電化製品に興味津々でした。
そんな時、私はついつい、〇〇したら『ダメだよ』そう言ってしまうことがありました。
ですが、この『ダメだよ』が子供の行動を誘導していたなんて、この時は思いもよりませんでした。
『ダメ』よりももっと大切なことがあることに、この時は気が付かなかったのです。
目次
『ダメダメ』と言われると『したくなる』
私は子供たちが小さい頃、数々の「ダメ」を言ってきたように思います。
ダメと言っても効果がないのは薄々分かっていましたが、口癖のようについつい「ダメ」と言ってしまっていたのです。
私が言ってきた数々の「ダメ」
厳選した3つのエピソードを聞いてください(^^;
さわっちゃ『ダメ』
友人宅へ遊びに行った時のこと。
お邪魔した途端に遊びだす息子に、
「電話をさわっちゃダメだよ」
「パソコンもさわっちゃダメだよ」
そう私が言った後すぐ、息子はチョコンとさわりました。
「だーかーらー!言ったでしょー!さわっちゃダメ!」
私の言うことなんて聞く耳持たずの息子にイライラしたものです。
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水たまりに入っちゃ『ダメ』
娘の乳児検診日。出発予定時間ギリギリに支度が終わりました。
先に外に出たいと3才の息子。
ですが外は雨上がりで水たまりがいっぱいです。
「水たまりに入っちゃダメだよー」
そう言いながら、私は大荷物を持って、娘を抱っこし、靴を履いてさぁ行こう!
と玄関を開けたその時、目の前には、水たまりでピチャピチャ遊んで泥水まみれの息子が。。。
怒り爆発の私にキョトンとする息子。
結局着替える羽目となり、時間もさらにギリギリで、私はしばらくブツブツ怒っていました。
なんでうちの子はこうなんだろう。
ダメって言ったって分からない。
もう本当に疲れる
そう本気で思ったものです。
手を離しちゃ『ダメ』
家族で公園に遊びに行った時のことです。
ロープで出来た高い高いジャングルジムに上りたいという4才の息子。
『そんなに高いところまではいかないだろう』と思って遊ばせると、あっというまにどんどん上ってしまいました。
それはもう、見てるこっちが怖いくらいでした。
もちろん下にはサポートできるようにネットが張ってありますが、
手を離したら落っこちてしまう。
足を踏み外したらどうしよう。
そんなことばかり頭に浮かびます。
そんな心配をよそに、横にいる主人はドッシリ構えて息子を静観。
私は耐えられず、
「手を離したらダメだよー!」
と大きな声で息子に言うと、手を離しておどけます。
「しっかりつかまって!」
そういうと、片足を上にあげて笑っています。
「危ないでしょー!」
そう怒る私に、隣から冷ややかな主人の視線を感じたのでした。
『しちゃダメ』は行動を誘導している?
どんどん上に行く息子に「ダメ」だの、気をつけてだの、必死で大声を張る私に、主人が冷めた口調で言いました。
「全部自分(私)が誘導してるんだよ」
・・・・・え?
「『ダメだよ』なんて言えばやりたくなるに決まってるだろ。
アイツなら大丈夫だよ。
ここで見てればいんだよ。
もし落ちたって、下にネットがあるから、大丈夫」
なんでしょう。この感じ。
この主人の余裕と、息子の野生的な力を信じて見守る感じ。
確かに主人の言うように、私が注意した通りのことをジャングルジムでしていた息子。
あぁ、そうだったのか。
この危険行為は私が誘導していたんだ!
息子は自分では考えてもいなかった行為を、私が先に注意することで意識し、行動していたのです。
もしかしたら、普段の生活もそうだったのかも知れない。
私はこの時、まさに目からウロコ状態でした。
『ダメ』と言われたとき
友人が子供を連れて遊びに来ました。
来てすぐに、「電話にさわったらダメだよ」と言った友人。
するとなんということでしょう!
その子はすぐに電話をさわりました。笑
何をするわけでもない、たださわったのです。
『あぁ電話ってこのことね』
と確かめんばかりに。
「もー!」
と我が子に呆れる友人に、主人から言われたことを話しました。
友人も目をまん丸にして
「そうかも、確かにそうだよねー!」
と、出るわ出るわ、思い返すと心当たりのあることばかりでした。
「ダメ」の前にしておきたいこと
好奇心旺盛な息子を育ててきた中で、事あるごとに「ダメー!!」と行動を注意してきました。
「ダメ」だと言い続けてもまったく効果はなく、悩んだ時もありました。
あるとき
「ちゃんとして」と大人は言うが、子供は「ちゃんと」が分からない。
何を「ちゃんと」するのかを説明してあげなければ、子供には伝わらない。
ということを何かで聞きました。
もしかしたら「ダメ」もこれと同じなのかもしれない。
そう思い、行動が予測された時は、
何をしてほしくないか
なぜしてはいけないか
を説明することにしました。
正直、効果があったか?と聞かれると『あった!』と胸を張って言えるほどではありませんが、前もって説明がないよりは、説明があった時の方が言い聞かせが楽なことは多くありました。
当たり前のことかも知れませんが、ついつい「ダメ」が先に口から出てしまったことに反省したものです。
子供が成長して思うこと
息子は小学6年生になりましたが、振り返ると、「ダメ」と言うほどのこって、それほどなかったかも知れないな、と思うのです。
当時の私は
「人に迷惑を掛けてはいけない」
「何かあったらどうしよう」
そんな思いが先走って「ダメ」という言葉で息子を抑えてしまいました。
ですが、ついつい口うるさく言ってしまった私が今思うこと。
それは
『ダメ』
と言う言葉を発する前に、グッと堪えてジッと行動を見守るということも大切だということです。
親という字は「木の上に立って見る」と書くように、子供からのヘルプがない限り、ドンと構えてジッと見守ることも大切な役目なのだと、子供たちが小学生になった今もなお思うのです。
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