あなたには人生を変えてくれた恩師がいますか?
人生の中で、恩師と呼べるほどの良き先生に出会えることはそう多くはありません。
ですが私には、幸せながら、私の人生を大きく前進させてくれた恩師がいます。
その恩師が亡くなりました。
「いつでも会える」
そう思う前に、会いたいと思ったときに会うべきだったと後悔したのです。
恩師の死
ある朝、恩師の訃報が届きました。
先生には結婚式に参列していただいた後、そのお礼に伺って以来、10年以上お会いしていませんでした。
今では年賀状のやり取りのみでしたが、今も変わらずお元気でいると思っていた私は、ショックでした。
通夜葬儀に参列し、先生の笑顔の遺影を見たときに、
「あぁ、あの頃の私は、この暖かい笑顔に支えられていたんだな」
と強く感じました。
先生に出会って…
私が先生に出会ったのは、まだ10代の頃。
世間知らずな私に、
「やる気があればいらっしゃい」
と迎えてくれた先生。
先生との出会いがなければ、私の人生は全く違うものになっていたでしょう。
何も持たない私に、同じ女性として、社会に出ても恥ずかしくないように、礼儀作法からビジネスマナー、また、様々な検定試験にもチャレンジする機会を与えてくれました。
先生が教えてくれたことは、私に自信を与えてくれたのです。
もし先生に出会わなければ、私は社会人として惨めな思いをしていたかも知れません。
先生のお陰で、無事に就職も決まり、以後10年間OLとしての道を歩み、務めることができました。
先生に出会う前の私には考えられなかったことです。
私の結婚式に来て頂いたとき、メッセージカードに
「今日はうれしい。本当にうれしい」
そう書いてくださった先生。
結婚式に参列してくれた他の教え子たちに囲まれ、笑顔に包まれた先生の姿を思い出します。
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たった一人の出会いで変わる人生がある
私は先生との出会いによって、自分の生き方に希望を持てました。
でも他の教え子がみんなそう思っているのかというと、それはまた違うのです。
ただの「先生」で終わった人はたくさんいます。
そう思うと、人の出会いとは不思議なものです。
でもだからといって、先生を恩師と慕うことが正しいとか、間違ってるとか、そういうことではないのです。
あくまでも「私」にとって先生は恩師だったのです。
先生にとって私は、多くの教え子の中の一人だったでしょう。
それでも私にとって先生は、紛れもなく人生を変えた先生なのです。
そして今もなお、先生の教えは私の中で生きています。
何も持たない私が、人並みの人生を歩むことができたのは、先生の教えがあったからこそです。
そのことは卒業後20年以上経った今も、感謝する気持ちに変わりありません。
後悔と感謝
ご無沙汰していた私は、先生の訃報を知ったとき、
「会いに行けばよかった…」
そう後悔しました。
具合が悪いことも知らずに、まだまだお元気だと思っていたこと、会うキッカケもなかったことで、年賀状のみのお付き合いになっていました。
「いつでも会える…」
そう思ってしまう前に、会いたいと思ったときに会うべきなのだと痛感しました。
それでも先生と教え子というものは、こんな距離感なのかもしれません。
遺影の前でどんなに先生に声を掛けても、もう届くことはありません。
それでも手を合わせ、心の中で何度も何度もお礼を言いました。
先生、本当にお世話になりました。
本当に本当にありがとうございました。
先生には感謝しかありません。
先生の教え子であることが私の誇りです。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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