子供は小さいから子供だと世間では言われます。
でも、我が子はいくつになっても子供なんですね。
私の子供たちは小学生。
子育て真っ只中なので、我が子を「子供」だと思うことに誰も違和感はないと思います。
ではもし、90代の母親が70代の我が子を幼い子供のように接していたとしたら、それは違和感がありますよね。
でも・・・
親にとっては子供がいくつになってもわが子への愛は変わらないのだと、私は父方の祖母を見て、そう感じたことがあったのでした。
祖母の悲しみ
私の両親は30年前に離婚し、父は家を出ました。
ですが父方の親戚とは付き合いか多少あり、離婚後しばらくは気にかけていただきました。
特に祖母は、家族に内緒でよく私と弟に会いに来ていました。
今思えば、よく母も嫌な顔せずに受け入れていたなぁと思いますが、祖母が元気なうちはそんな関係が続いていたのです。
そんな祖母も、段々年齢と共に来る回数も減り、とうとう顔も見せることもなくなりました。
私たちから会いに行くことはなかったのですが、離婚して10年ほどたった頃、父の実家を継いでいた兄が亡くなり、母と私は、葬儀に参列しました。
所在不明の父が葬儀にいなかったことに母とホッとしていると、他の親戚の方から祖母のいる部屋へと案内されました。
祖母のいる部屋に顔を見に母と行くと、亡くなる前まで歩けたという祖母は、息子の訃報を聞くと立てなくなってしまったようで、すっかり気力を失ってしまった様子でした。
祖母は90代、亡くなった父の兄は70代でした。
祖母は、自分より先に息子を亡くしたのです。
ボケも多少あり、記憶も曖昧な中、祖母は母を見ると這って向かってきて、そしてひたすら謝ってきました。
父がしたことを、「悪かった悪かった」
頭を付いて謝るのです。
「もういいですから」
母も困ってしまい、悲しい顔をしていました。
そして、亡くなった父の兄が先に逝ってしまったことを嘆くのです。
小さい体を丸めて悲しんでいた姿を見て、私は、母親とはいつまでも母親なのだと感じ、胸がギューッと苦しくなりました。
祖母は小さい小さいおばあちゃんになっていました。
亡くなった父の兄も、祖母も、見た目はおじいちゃんとおばあちゃんでも、親子はずっと親子に変わりなく、祖母にとっては、いくつになっても子供、お腹を痛めて生んだ子供なのです。
子供たちが結婚し、可愛い孫が誕生しても、我が子を思う気持ちに変わりないのですね。
祖母はここまで長生きしてきたのに・・・
こんなに生きてきて、息子に先に逝かれてしまった祖母の気持ちを思うと、切なくなりました。
そして、私の父である、祖母のもう一人の息子には、結局20年も会えないまま、祖母は他界しました。
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いくつになっても子供は子供
私も親となり、2人の子供に恵まれましたが、まだまだ小学生の子供なので当たり前のように可愛がっています。
ですが、成長すると共に、あまり親があからさまに可愛がると、
「いい年して・・・」
なんて思われることでしょう。
でも・・・
親にとっては、いつまでも可愛い子供。
いくつになっても親なんだ…
当たり前なことですが、子離れ、親離れが出来たとしても、子供を想う気持ちはいつまでも変わらないんだな…
小さくなった祖母を見て、悲しくらい感じたのでした。
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